母からの贈り物
新型コロナウィルスの猛威が奮われる中
保育園は開園している。
なので、お仕事は変わらずにある。
両親の介護施設は不要不休の訪問者以外はご遠慮くださいということで会いに行くことを控えている。
連絡ツールは電話とメールと手紙のみ。
母は時間をもて余しているものの、まあまあの元気さである。
ある日、母に頼んだ手作りマスクが届く。
細かくひだが作られていて裁縫が得意な母の丁寧な仕事ぶりが伝わってくる。
「何度も洗って使えるわよ」とメモが添えられている。
「久しぶりに針箱を開けて糸が針に入ったのでたのしくなった」とも書かれていた。
私も久々に母の手作りの物を身につけることになり、幼いときに着た手作りのワンピースが目に浮かぶ。
マスクをつけてみると母の香水の匂いがした。