息子って何だろう
家を出て兄と暮らしている次男が
帰ってくる日。
夕飯のカレーを前日から作っておく。
ナムルも添えて。
平凡なメニューと思ったが
「いやぁ、意外とカレーって作らないんだよ。だから嬉しい。」
と美味しそうに食べる次男。
都合つく時間が30分ほどしかなく
他愛ない会話をして終わる。
「ところで、羊羹、食べる?」
「食べる食べる。課題とかやってるとき欲しくなるんだよね」
いただき物の羊羹やらクッキーやらを
私は持たせる。
こういうとき自分が食べるより息子が食べることを優先する脳になっているから不思議である。
それが、たとえ自分の好物であろうと、
そんなことはお構い無くなっているから
面白い。
脳内は息子が喜ぶことを想像するのである。
自分の大事な人が喜ぶことが
自分の喜びに重なるのかもしれない。
そして次男は帰っていった。
羊羹をいれたリュックをしょって。