心の奥に響く絵
知人の個展に行く。
久々の再会。
彼女に会いたいと思ったときから
私は実は彼女に話をしたかったのだということにうっすら気がついていた。
その証拠に玄関に飾ってある女性の絵に私は眼がいっていたから。
その絵は3年前、私の誕生日のため彼女に描いてもらった「私」である。
彼女とデートをして、話をたくさんし彼女から見える私のイメージを描いてもらうリクエストをした。
その当時の私は息子たちのことで揺れていた。自分時間を作り学びの場に足を運び、大地にしっかりと立っていた。
苦しくない。大丈夫。ダイジョウブ。
常に前を見て明るくしていたと思う。
数日後
彼女が描いた絵を見せてもらう。
えっ⁉️
コレ ワタシ?
私ってこんな風に見えるの?
違和感が起きた。
そこにはふんわりとした洋服を着た柔らかい表情の女性がいた。いかにも優しそうな。
そして周囲にはアーモンドが回っていた。
彼女のイメージなので私は何とも言えずにありがたくいただき、玄関に飾った。
あれから3年の月日がたつ。
3年の間に起きたことをザックリと話す。
彼女の個展に行ったことのある息子の様子、家族のこと、自分の今の仕事のこと等
私の話を聞いていた彼女は
あの時の麻里さんは奥歯を噛みしめておられたような感じがした。あの絵は、こうなってくれたらという私の願いを載せて描いたの。
その話を聞いて、なるほどと
納得する私がいた。
実は最近、
あの絵を見て、これは今のワタシだ
と思えているからである。
3年前のあの頃、私は自分の苦しさに気づかずにいたんだ。
苦しくても苦しいと言わなかった。
だって、苦しいと言ったら、不登校ライフが始まってずーっとじゃん。
いつの間にか、痛みに耐性がつき
慣れていっていたのかもしれない。
今、アーモンドの女性の絵を見ると
心が落ち着く自分がいる。
彼女の絵が
今のワタシを表しているような気がした。
私は今、こんな感じなんだ。
3年の間にいろいろなことが起きたのですねと彼女に言われて 振り返ると本当にそうだったことに気づく。
なんだか少し泣きそうになる。
夢中で走ってきた自分に
頑張ってきたねと
言われたような気持ちになった。
彼女と話せた時間は貴重だった。
あらためて
描いてくれた彼女に
感謝の意を伝えた。
そして
また描いてほしいとリクエストして別れる。