嬉しかったこと~母とのやり取り~
最近、母とは電話でのやり取りが増えた。
話の内容は不安感満載のコロナ対策の話は底をつき始め、もっぱら手作りマスクの打ち合わせが多い。
生地となるハンカチが見つかったとか、ゴムが手に入らないとか、私のリクエストを聞いたり、保育園での評判を伝えたりとか。
一番最初に依頼したときは、こんな物で作るよりも買った方がいいに決まっている調だった母も、コロナが長期戦になる事態に目を向け始め言うことが変わってきた。
「やっぱりマスクは必要よね。買うとしても売ってないから繰り返し洗えるのはいいわよね。」
作ることの意味を感じ、製作に意欲的になる。さらには自分で作ったマスクを施設内でしてみたらしく(注、施設内は配布されている状況)
「このマスクをつけていたら皆が驚きの目で見るのよ。』「手が器用でいらっしゃいますね」とか「上手ですね」
と言われたようでその声は嬉しそうだった。
その後、私は自分のハンカチを送り、製作依頼をした。その時に以前作ったマステアートも同封してみる。サクラからチューリップになっても気分が変わっていいかなぁと。
(気に入るかしら?←母は自分の気に入ったものしか受け取らない)
ある朝、マスクが届く。
ひと言、言葉が添えてあるのも嬉しい。
制限がかかる生活を送るために何かを作ることは楽しいらしい。
離れていても気持ちが伝わってくるとはこういうことか。
私の贈ったマステアートも明るい気分になると気に入り、施設内で見せたりしているようである。
「どうやって作るの?何か特別な技術が要るのでしょう?」
どうやら新たに興味を持つものが現れたようである。