小さく喜ぶ~母との時間~
今日は仕事オフの日なので約束していた母のところに行く。
「どこにも出られないから崎陽軒のシュウマイを買ってきて食べたい」
とメールが来ていた。
以前 あった崎陽軒のお店が何と閉店していた。それを知ったのは出かける数分前。
今から遠目のお店に行く時間なく、仕方なく別のお店のシュウマイを買っていく。
吉と出るか、凶と出るか?
行きの移動中、心配しながら電車に乗る。
母は好みがはっきりしており、何でもいいというタイプではない。いわゆるこだわりが強い人である。指定した通りにしないと不快を露にする。特に、身内(娘)には。
届けると、何だかんだとタイミングがよかったらしく、美味しいわと喜ばれた。崎陽軒しか知らなかったのよとかなんとか言われる。
父、母、私で3人で久々に食卓を囲む。
そのあと、母は「あなたに、いいものがあったから してみてくれる?」とピアスを差し出してくる。
そして、介護施設の懇談会に参加してほしいと頼まれ、母と参加する。
その後は、新しい美容院に一緒に行ってほしいと言っていたが、疲れてしまったので、今日のところは帰ったら?と気まぐれさ満載で言われる。
電話やメールでは伝わらないことが 会ってみてたくさんある。
83歳の母は、思っていてもできないことだらけだと言う。それでも、思いに蓋をせず、いつも何かをしようとしている。諦めなければならない毎日に悲しくならないよう、常に前を見ている。そんな母の思いを数%でも応援したく、娘としてできることは協力している。協力したい。
帰ってもいいわよと言われた帰り道、何だか小さい喜びが自分にわいてきた。
崎陽軒でなくても持っていって良かった。
思わず、自撮り気分になる。
母からもらったピアスをして
好きなポスターの前で。