母からのひと言
先日、私のインタビュー記事が載っている本を母に送った。
以前から母には話してあった。
母はたいそう楽しみにしていた。
本が新聞に取り上げられたことを告げるとより一層楽しみが増したようであった。
母からの感想
本を読みました。なんて言っていいか よくわかりません。こんなに赤裸々に書いていいのかしら?
それだけでした。
それから数週間経過するが 本の感想は母からは何も言ってこない。
私の思うこと。
母の気持ちを察してみた。
娘から孫の不登校の話は聞いていた。全く初めての内容ではないが文字で表されると何か違う気がする。世間にこんなに家庭内のことを赤裸々に出してしまって、孫の了解は得ているのか?
一方で 母がよく言っていたのは
「苦労ばかりしている。自分で撒いた種だから自分でどうにかしなさい。」
孫たちに光が射して来ると
「よかったわね。母親であるあなたしかできないこと。人には頼めないわよ。あなたはよくやったわよ。こんなに大変なことは なかなかないことだから本にでもしたらいいわ」
母は 実際に本になるとは思っていなかったのだろう。
そして、実際に本を読んでみて、もしかしたら 母の想像とは何か違ったのかもしれない。
私が思う 本のいいところは、読み手のタイミングで開くことができるところである。
母は手にしたときの気持ちを率直に伝えてきた。
動揺、困惑が丸見えであった。
突然だから無理もない。
現在、本は母の手元にある。
それで十分である。
また、手にとってみたくなったらページをめくるであろう。
その人の必要なときこそ
ベストのタイミングであると私は思う。